建設業界にDXを導入する上での課題と解決方法

by biburi
Posted on 2022年8月29日

最終更新日 2024年12月20日 by biburi

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近年では経済産業省が様々な業界にデジタル技術を導入することを推奨しており、そのために様々な業務の進め方の標準化をデジタル技術を用いて行うとしています。
現在多くの企業が導入しているIT技術は、そのデジタル技術そのものを導入する部分に注力されていたため、ビジネスプロセスを大きく変えてしまうと言う問題もありました。
これに対応しそのプロセスを変更することで業務効率化が実現できたり、あるいは社内の合理化を実現することができた企業はその恩恵を受けていますが、その中にはこれらの技術を導入したために様々な問題を発生しているところも少なくありません。

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1 従来のIT技術の導入に於いて大きな障壁となったこと
2 建設業界の実態
3 デジタル技術を業務プロセスに積極的に導入しようとしている背景
4 公共工事の入札業務もDXの方向性に則りデジタル化される
5 まとめ

従来のIT技術の導入に於いて大きな障壁となったこと

従来のIT技術の導入に於いて大きな障壁となったのは、その仕組みが大きく変わると言う部分にありました。
従来は手作業で行っていた様々な業務をコンピューターを導入して行うことで、単純には省力化をすることができると考えられる面もあったのですが、実際にはこれをスムーズに動かすために新たな中間データを作成する必要が生じたり、もしくは様々な確認作業や入力作業など、これまで発生していなかった作業が非常に増えてしまったことが原因です。
またオフィスではなく現場で作業をすることが多い場合などは、コンピューターを利用することができる環境にないため結果的にその恩恵を受けることができず、手作業のまま継続してしまうことも少なくありませんでした。

建設業界の実態

これが顕著であったのが建設業界で、ほとんどの作業が現場で行われるためコンピューターに入力する手間が数多く発生し、そのために担当者が多大な負荷を抱えることになったため、実際にはほとんどのIT技術が効果的には利用されていないのが実態です。
様々な情報をデジタル化しこれを記録しようとしても、図面等人手で作成した書類はデジタル化するためにこれまでにない作業が発生することになるほか、現場の作業者に様々なデータを入力させたり、もしくはデータの形で様々な指示を受け取る事は非常に大きな負荷となっていました。
また現場の作業者は様々なデータだけではなく自分自身の経験と知識を持って作業をすることが多かったため、実際にこれらのデータを与えてもほとんど利用されていないというのが実態です。
多くの業界がIT化する中で建設業界だけが現在でも手作業を行うことが多いのは、これらの従来からのしきたりに則った作業の進め方や、実際にデジタル化を行うことで受ける恩恵が非常に少なかったことが要因となっています。
しかし最近ではインターネットの普及により様々な遠隔地でのデータ入力作業が容易になったり、もしくは遠隔で業務を支援する仕組みが登場したりとデジタル技術が建築業界にもたらす恩恵が少しずつ得られるようになってきました。

デジタル技術を業務プロセスに積極的に導入しようとしている背景

経済産業省がデジタル技術を業務プロセスに積極的に導入しようとしている背景には、これまでIT化が進まないことで様々な業務の効率が向上しないと言う業界に対し、これらを効率的にするために様々な仕組みを整備しようと言う面があります。
従来のITの導入はあくまでもデジタル技術ありきでその業務プロセスがある程度犠牲になることもやむなしと言う風潮がありましたが、今回のDX推進ではあくまでも現在の業務プロセスを生かしたまま、これをデジタル化することが求められるようになっているのが特徴です。
同時にそれぞれの業界における標準的な業務プロセスを設定し、これに則って様々な業務を行うことで企業間の取引などもデジタルデータのまま行うことができると言う仕組みを目標としています。
そのため従来のように努力目標的な扱いでデジタル技術を導入するのではなく、あくまでも取引を健全に行うために必ず導入しなければならないと言う要素が非常に強くなっているのが特徴です。

公共工事の入札業務もDXの方向性に則りデジタル化される

建設業界では現場では1部の業務でしかデジタル技術を使用していませんが、今後はこの経済産業省のDX推進に合わせて様々な形でデジタル技術を導入することが必要となります。
その要因の1つが、公共工事の入札業務もDXの方向性に則りデジタル化されると言うものです。
これまではデジタル媒体を使用する事はあくまでも付帯的な措置であり、印刷物の形で提案書や応札書などを提示することがルールとなっていました。
しかしDXの目標ではこれらをデジタルデータ化し提出することが義務付けられ、この対応ができない場合には入札ができないと言う非常に厳しい状況が提示されています。
そのため現在では建設業界のそれぞれの企業でもデジタル技術の対応を真剣に検討し始めており、業務プロセスの見直しや効率化の追求など、様々な方面でその準備が進んでいるのが実態です。